雑感

古紙個々のリサイクル負荷としては,異物混入率や加工度,地の色(印刷の色ではない)との関係が深いと推測されるが,これらをもとに行った評価では,再生紙製造において決定的な障害を発生させるものは禁忌品を含むいずれの分類においても見当たらなかった。
古紙をリサイクルすることは,日本製紙連合会が行ったLCA手法からも化石燃料消費量ならびに総エネルギー消費量で環境面に望ましいケースが指摘されている(※)。しかし,古紙をより多く集めリサイクルに回すこととリサイクル負荷を下げること(即ち紙以外のものを再生紙製造過程に入れないこと)とはトレードオフの関係にある。このトレードオフの関係改善の糸口は,重量ベースで古紙を評価することである。切手(No.79)のCODは高値であったが,切手単独で再生ルートに回ることは通常考えにくく,封筒に貼られた状態で再資源化されると考えるのが現実的である。リサイクルに適した封筒本体の重量とリサイクル負荷が通常の紙よりも高い切手の重量との比率が重要となる。古紙の再資源化全体としての負荷を下げるためには,禁忌品との重量比率でより多くの紙を集めることが肝要である。そのためには,それぞれの地域の再生ルートや製造ラインに依拠した禁忌品の除去と分別等の地域性ルールを遵守することが有効である。
また,紙は購入時点で使用後のリサイクル負荷が決まっている。インクジェット用紙(No.42〜44)は,通常の紙よりリサイクル負荷が高いという結果が得られたが,あえてインクジェット用紙を使う必要のない場合も多いと思われる。消費者は,購入してからどのようにすればいいかを判断し行動するのではなく,購入前に,廃棄物とならないあるいはリサイクル負荷の小さな紙を購入すべきである。また、購入してしまった後のリサイクルについては、異物の混入が微小であれば製造工程において決定的な障害は発生しないと考えられるので、異物の混入はある程度避けられないという前提のもと、いかに重量ベースで多くの「紙の繊維」を集めるかという部分に力を注ぐべきである。
製造者は,消費者が購入および資源化の際に参考となる情報公開に努めるべきである。「R70」など古紙の混入率を表示するしくみはあるが、異物の混入率を表示するしくみはない。拡大生産者責任を果たすと同時にグリーン購入を進めるために、製品製造段階における紙の繊維割合と繊維以外の物質の割合を把握できるしくみが必要ではないか。
(※) 日本製紙連合会古紙部会古紙技術委員会 ポストリサイクル56計画目標設定に対する技術的アプローチによる調査報告書, p11-16 (2000)

とやま古紙再生サークル事務局 谷口新一



ホームへ戻る

古紙リサイクル負荷度分析へ戻る