紙のグリーン購入のヒント集


Q.新聞折り込みチラシは新聞紙に混入してもいいの?

A.チラシは新聞紙に混入してもよい。

新聞紙とチラシは紙の性質上異なるので、本来なら分けた方がマテリアルリサイクルの 理念からも 合致しているが、
大量に発生するなど稀なケースを除き、現実の回収ルートでは分けても意味がない。
また、新聞紙に混入してもよいのは一般的に折り込みチラシだけとなっており、チラシと同様のパンフであっても混入は
避けることとされている。 その理由は、チラシと同様の紙や上質紙などが混入しても製造上は構わないが、それを許すと、
背糊のついた通信販売のカタログなどが 人間の行動上拡大解釈されて混入されていく恐れがあるからである。
新聞古紙は新聞に生まれ変わることから、ホットメルトなどの現象が起きないように、背糊の混入は特に避けたい。
よって、拡大解釈されないように折り込みチラシのみとされている。
また、新聞古紙の流通価格は、異物が極力抑えられた品質を維持しているとして設定されている。
価格のフリーライダーを防ぐ意味からも混入について拡大解釈されないようなわかりやすい分別指示となっている。
参考サンプル:1、2、3、10、11、12、13



Q.新聞折り込みチラシで避けるべきものは?

A.地が白くないチラシの使用は避けるべき。

折り込みチラシは、紙の性質上新聞と異なるが、地が白い炭酸カルシウムが多く含まれた紙を使う割合も多く、
新聞に混入することにより、結果として、再生後の新聞紙の白色度を向上させる効果がある。
今回の分析結果からも、地の白いチラシからは多くの炭酸カルシウムが検出されているが、折り込みチラシの重量は
新聞の3割〜5割とも言われており、絶妙な重量バランスによりマテリアルリサイクルにおける決定的な障害とはなっていない。
製造ラインにおいて、経験的に地が黄色のチラシの混入をさけたいという声があるが、今回の分析により、
pHが低いという結果が出ている。その他の数値上の差異は見受けられないが、地に色のついたチラシは、
再生後の紙にも色が残ることから、なるべく避けるべきである。地の色紙に一色の印刷の方が結果的に単価が安く
広告効果をあげることができるケースもあり現実的には難しいが、グリーン購入の視点からは、なるべく地の白いチラシの
使用を避けるべきである。
参考サンプル:10、11、12、13



Q.新聞整理用袋は大丈夫?


A.なるべく避けたい。

分析結果からは酸性度の高いものも見受けられるが、紙の性質上特に問題はない。
新聞整理用袋として一部紙でないものが出回っているが、これはプラスチックの再生に回らず通常ゴミとなっているケースが多く、
避けるべきである。また、新聞古紙としては品質を求められる(特に背糊のある雑誌やカタログ)。
整理用袋を用いている場合は、中身を見ることができず、手作業で開封して異物の存在を確認しているケースもあり、
再生ルートとしては負荷がかかっている。新聞整理用袋は便利ではあるが、なるべく避けて、
直接ヒモで縛って出すのがよい。また、整理用袋を用いた場合は、クラフトテープ (ガムテープ)で縛るケースも散見される。
クラフトテープの混入をさける意味でも、ヒモで縛ることを推奨したい。
参考サンプル:4、5、6、7、8、9



Q.ヒモはどんなヒモがいいの?

A.あえて言えば白いヒモ。

白い紙ヒモが良いという活動も見受けられるが、分析結果から茶色のヒモとの差異は特に見受けられない。
立山製紙株式会社へのヒアリング結果からは、白い紙ヒモも茶色の紙ヒモも「溶けにくくゴミとして排出」との経験則もあり、
ビニールヒモとの環境的な差異はなかなか見いだせない。
あえて言えば、ビニールヒモは一番安く購入できるが、化石燃料由来のものであり、そもそも避けるべきという評価はあると思う。
また、再生後の紙への色などの品質面を考えると、茶色いヒモよりも白いヒモの方が良いという結論も導き出される。
参考サンプル:31、32



Q.マンガと週刊誌、何か違うの?

A.背糊は避けたい。 新聞古紙への背糊のあるマンガは避けたい。

マンガや週刊誌は、背糊があるものも背糊がないものも雑誌として回収再生される。
今回の分析評価では特に差異は見られなかったが、背糊については、ホットメルトやにじみなどの影響が考えられ、
背糊系よりはホッチキス系の方が異物として除去しやすい。
参考サンプル:29、30



Q.電話帳はどうすればいいの?

A.電話帳は電話会社へ返却または雑誌へ。

電話帳は、背糊もあり、新聞古紙への混入は避けたい。また、立山製紙株式会社のヒアリングでは、
「溶けやすく紙とならず排水へと流出」とされ、紙自体の品質としても悪い。
また、事業所版については、黄色く染色されており、その点でも原料として不向き。
電話会社へ返却するために車の燃料を使うのもどうかと考えるが、更新時に返却するのが、
大量に同質のものを集め資源化するという意味で最もよい。
参考サンプル:35、36



Q.バージン上質紙と再生紙、どっちがいいの?


A.白色度70のコピー用紙を使おう。

オフィス町内会の調査分析によれば、バージン上質紙や白色度80の再生紙より白色度70の再生紙の環境負荷が一番低い
という結果が出ている。今回の分析評価でも、バージン紙からは炭酸カルシウムが多く検出されるなど
再生紙100%がよいという傾向が見受けられる。
しかし、再生回数は5回程度が限度とされることから、バージン紙を否定はできない。
バージン紙については、持続可能型の管理された森林からの伐採木を利用することが肝要である。
参考サンプル:14、15



Q.印刷形式による違いは?

A.特になしか。

今回の分析の本旨ではないが、印刷形式の違いも分析してみた。違いは特に見られなかったが、インクジェット印刷については、
分析途中に化学反応も見受けられ、染料系・顔料系など多様な化学物質が利用されていると考えられ、
重量ベースで少ないために顕在化していないことも考えられ、古紙リサイクルへの影響は未知数である。
参考サンプル:15、16、17、18



Q.カラーコピー用紙はどうなのか?

A.なるべく避けたい。

カラーコピー用紙は、地の白い紙であるが、雑誌として回収再生される。地が白いために分別先があやふやになっていると思われるが、
今回の分析結果からも、炭酸カルシウムが多いのをはじめ、マグネシウムやホウ素も多く検出され、CODも高くなっている。
不必要なカラーコピー用紙の使用は、コストアップにもつながるし、古紙のリサイクルにとっても好ましくない。
なるべく普通のコピー用紙を使うべきである。
参考サンプル:15、19



Q.インクジェット用紙はどうなのか?

A.なるべく避けたい。

インクジェット用紙は、安価なカラー印刷の普及に伴い、家庭とオフィスの両面で使用頻度が高まっている。
カラーコピー用紙と同様に、地の白い紙であるが、雑誌として回収再生される。普通のインクジェット用紙については、
炭酸カルシウムが多く、CODも高くなっている。光沢型とマット型のインクジェット用紙については、歩留まりが悪く、
原料としての価値に乏しい。インクジェット用紙は、単価も非常に高く、安易に使うべきではない。
参考サンプル:15、42、43、44



Q.コピー用紙包装紙はどうなのか?

A.雑誌としてなら可か。

今回の分析では4種類のコピー用紙包装紙を調べたが、いずれも歩留まりが悪く、原料としての価値は低い。
また、閉じるために化学糊が使用されており、マンガなどの背糊と同様、好ましいものではない。
コピー用紙包装紙の中には、『再生可』という表示のあるものもあるが、特に差異は見受けられない。
参考サンプル:25、26、27、28



Q.シュレッダーをしたらどうなのか?

A.現実的には資源化ができない。

今回の分析では、歩留まりも高く、潜在的な原料としての価値は、多少繊維が分断されるがそれほど低下しない。
しかし、現実的には、シュレーダーをかけると容積が8倍〜20倍になるとされ、古紙の回収物流面で、空気を運ぶようなものとなり、
コスト的に通常は回収が行われない。また、二塚製紙株式会社のヒアリングによれば、パルパーでの溶けにくさが指摘されている。
また、立山製紙株式会社のヒアリングでは、「小さく分断され紙にイボとして残る」とされ、品質面でも課題がある。
参考サンプル:85、86



Q.付箋紙はどうなのか?

A.雑誌としてなら可か。

歩留まりは多少悪く色が残るものの、蛍光の付箋紙も含め、特に大きな問題は発見できなかった。
参考サンプル:33、34



Q.名刺やハガキはどうなのか?


A.雑誌としてなら可か。

名刺大以上なら、シュレッダーされた紙と違い、再生は可能である。ただし、回収問屋にてベーラーにかけるため、
回収問屋にて散逸する恐れは高まる。
参考サンプル:37、38



Q.シールラベルはどうなのか?

A.禁忌品。

いわゆるタックシールなどは粘着化学糊系であり、禁忌品であるが、混入した場合の影響を調べるために今回分析している。
歩留まりは悪いが水質面の影響は特にない。
参考サンプル:39



Q.紙コップはどうなのか?

A.禁忌品。

紙コップは水分を扱うため、ロウ引きとなっており、禁忌品である。立山製紙株式会社のヒアリングでも、
『溶けにくくゴミとして排出』とされ、 製造ライン上でも再生に不向きである。今回の分析でも、特に断熱タイプの紙コップの歩留まりが悪い。
参考サンプル:40、41



Q.芯はどうなのか?

A.トイレットペーパーの芯程度なら雑誌として可か。

トイレットペーパーの芯程度なら溶けて原料となるが、 ラップ程度に固く厚くなると溶けるまでに時間を要し、
溶かすために投じられるパルパーへのエネルギー負荷が高まり、 リサイクル負荷度は高まる。
また、今回の分析でも、ラップについては、歩留まりも低く、ラップの芯は避けた方が良い。
参考サンプル:45、46



Q.ノンカーボン紙はどうなのか?

A.禁忌品。

ノンカーボン紙は、感圧紙ともいわれる。ボ−ルベン・鉛事等で紙の表面に文字を書いていくと,加えられる圧力で,色を出させる役目を持つ
マイクロカプセルが破壊され,中の発色染料が下の用紙の薬剤と結びつき色が出てくる複写式の紙である。
今回の分析では、歩留まりは比較的高いものの、再生後に色が残る、炭酸カルシウムやCODが比較的高い、亜鉛が多い
などの結果 が得られた。立山製紙株式会社のヒアリングでも、『一部溶けず表面に残る』とされている。
参考サンプル:47



Q.裏カーボン紙はどうなのか?

A.禁忌品。

裏カーボン紙は、ノンカーボン紙と同様の機能を持つが、予め裏に黒や青などが塗られている複写式の紙である。
今回の分析では、歩留まりは比較的高いものの、再生後に色が残る、炭酸カルシウムやCODが比較的高いなどの結果が得られた。
立山製紙株式会社のヒアリングでも、『一部溶けず表面 に残る』とされている。また、宅配便の送付状について、3社を分析してみたが、
大きな違いは見られなかった。
参考サンプル:48、49、50、51



Q.感熱紙はどうなのか?

A.禁忌品。

加熱により発色する紙であり、家庭用のファックスや小売店のレジで使用されるケースが多い。
感熱紙は、再生する製造ラインにおいて熱による乾燥をするが、その際黒くなるなど障害が大きいので禁忌品である。
今回の分析では、歩留まりは比較的高いものの、再生後に色が残る、炭酸カルシウムが比較的高い、CODはかなり高いという
結果が得られた。立山製紙株式会社のヒアリングでは、『油など表面にしみ出る』とされている。
普通紙ファックス機を使うようにしたい。
参考サンプル:53、54



Q.クラフトテープ(ガムテープ)はどうなのか?

A.禁忌品。

荷造りなどに利用するクラフトテープは、ダンボールの場合を除き禁忌品である。
今回の分析では4種類のコピー用紙包装紙を調べたが、布タイプは攪拌機にからまり、分析が困難であった。
おそらく実際の製造ラインにおいても障害となっていることが予想される。また、布以外の3タイプについても、
いずれも歩留まりが悪く、原料としての価値は低い。また、サンプル57は再生紙により製造されたというエコマーク商品、
サンプル58はさらにマテリアルリサイクルを意識した『再生可』という表示があるが、特に差異は見受けられない。
むしろ、『再生可』の方が、歩留まりも悪く分析工程でも泡立ちが多いなど、問題点が多いようにも見受けられた。
エコ商品かどうかではなく、使用量を減らすことが肝要である。
参考サンプル:55、56、57、58



Q.ダンボールでダメなのは?

A.ロウ引きや銀は禁忌品。

冷凍食品などのロウ引き、リンゴなどの銀は禁忌品であり、必要かもしれないが、過剰な品質を求めず、
使用量をなるべく減らすことが肝要である。
参考サンプル:21、22、23、24



Q.写真や切符はどうなのか?

A.禁忌品。

禁忌品であり、今回の分析でも歩留まりが悪く原料としての価値が低い。
参考サンプル:70、72



Q.青焼き(ジアゾ感光紙)はどう なのか?

A.禁忌品。

禁忌品とされているが、水質的にも問題点は発見されなかった。
参考サンプル:71



Q.封筒はどうなのか?

A.窓付き封筒は禁忌品。

窓付き封筒は一般的に禁忌品とされているが、その他は雑誌としてなら再資源化が可能。
サンプル82の窓付き封筒は、窓付き部分の資源化も意識した『再生可』という表示があるが、フィルムとしての異物ではないが、
紙としての異物として残った。資源としてどれほど有効なのか確信が持てなかった。
参考サンプル:80、81、82、83、84



Q.切手はどうなのか?

A.切手は禁忌品とされていないが、問題多いのでは。

切手は禁忌品とされていないし、封筒についているものをはがすなどの推奨は聞かれない。
しかし、今回切手単体で行った分析では、ホウ素も高かったが、CODが異常に高く、簡易COD計では高くて計測できなかった。
切手は唾液を使うケースも想定されているからか、生物由来の粘着物を使っているからかもしれない。
切手の歩留まりは低くないが、原料としての価値よりも水質面への影響が大きいと考えられ、
切手はなるべく再生製造ラインに入り込まないことが理想的なのではないか。
参考サンプル:79



Q.非木材紙はどうなのか?


A.避けるべきでは。

非木材紙とは、ケナフ紙やバガス紙など、木材に由来しない紙である。ケナフはアオイ科の一年草であり、
バガスはサトウキビの搾りかすである。バガスについては、廃棄物の有効活用という面では意義があるかもしれないが、
ケナフもバガスも、製造ラインを動かすのに 無駄も多く、しかも、原料として見た場合は、木材系と由来の違う紙であり、
問題点も多いと考えられる。現在では、まだ、量的にも少ないため再生製造ラインで多くの問題とはなっていないが、
非木材紙が普及することが環境負荷を低減させるという結果を容易に導くことはできない。
むしろ、環境負荷を高めているという仮説も検証されるべきであると考える。今回のデータからは、白色度を高めるためか
炭酸カルシウムが高くなっている。
今回の分析で結論は得られていないが、木を見て森を見ずとならぬような継続的検証と行動が肝要である。
参考サンプル:76、77



Q.タバコはどうなのか?


A.銀紙は禁忌品。

タバコは容器包装リサイクル法(以下、容リ法)に該当する古紙である。
容リ法では、銀紙もケースもどうように集めることになっているが、紙の原料としての価値という視点では、銀紙は特に品質が悪く、
禁忌品と言えるものである。雑誌という範疇の価格ではなく、容リ法という制度の範疇での価格で製紙会社に持ち込めば、
それはそれで経済活動として引き取ってもらえるかもしれないが、原料としての価値に乏しいものを、あえて社会的に高コストで
無理に資源化することが社会的に意義があるかどうかは議論すべきところであると考える。容リ法があるから資源化に回すとか、
資源化しているという心理的満足感を得ているだけなら虚しい。無理に品質の悪いものを資源化に回すのではなく、
これまで資源化されてこなかった比較的品質のよい紙を掘り起こすという視点が大切であると思われる。
容リ法の紙関係については、「富山市モデル」という制度が注目されている。富山市モデルの根幹は、
品質のよい紙を既存の回収資源化ルートに載せようとするものである。富山市モデルが社会的に高コストになっているという面は
改善すべきであると思うが、全国的に示唆に富む制度運用である。
参考サンプル:61、62



Q.カップ麺のフタはどうなのか?


A.本来は禁忌品。

容リ法では、回収すべき紙となっているが、本来は禁忌品と言えるものである。
カップ麺のフタは、紙の繊維以外に、アルミなどのマテリアルが含まれており、容リ法上は紙が重量ベースで半分以上含まれていて
紙とされていても、原料としてみた場合は紙の価値は低い。
参考サンプル:65



Q.飲料パックはどうなのか?

A.独自のルートへ。

飲料パックは、人間が口にするものであり、衛生上もバージンパルプが使用されており、繊維としての品質は高い。
しかし、今回の分析では、歩留まりが低く出た。二塚製紙株式会社へのヒアリングでも、飲料パックについては、
内側に貼られたフィルムが溶ける妨げとなりパルパーで溶けないとのこと。飲料パックについては特殊な機械が必要であり、
独自のルートかつ単独で集められてはじめて原料としての価値を持つ。牛乳パックもジュース類などのパックも品質的には同じであるが、
ジュース類のパックは牛乳パックとは別のルートで集められている。これは、ジュースもよいとして集めると、
アルミ箔を張ったものが混入する恐れがあるということが理由である。つまり、品質ではなく、人間の分別行動の限界により、
分別ルートが決まっている。
参考サンプル:66、67、68




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