分析概要と結果概要


リサイクル負荷度は大きく分けて以下の4項目の分析を試みた。

(1)溶けやすさ
(2)歩留まり[古紙に含まれる紙の繊維の割合
(3)不純固形物
(4)水質


今回、富山大学工学部加賀谷研究室と協力して事業を行った。
分析は、大学とNPOとの協働連携、学生の環境教育も兼ねた インターンシップにより実施した。
また、平成14年度地球環境基金の助成を受けて実施した。
有効検体数:108(113) JIS−P8203〜P8223に定められている試験方法を参考に簡便化して実施。
分析手順は別に4ページを割く。 今回は脱墨工程を省いて分析した。


結果表(コメント編)

結果表(水質編)




分析の流れ

分析手順

(1)溶けやすさ

溶けやすさについては、予備実験およびヒアリングにおいて、実験室レベルで行うことの有効性が希薄となったことから、
(2)の歩留まりに含めて分析することとした。 理由は、
(a)実験室ではある程度の大きさに切らざるをえず形状による溶けやすさ要因を評価できないこと、
(b)実験室では3000回転相当で攪拌して溶解させるが実際の製造ラインとは かなり異なること、
(c)実際の製造ラインにおいてはパルパーにおいてフローで溶解されるが実験室ではバッチ処理を 行わざるをえないこと、
などの理由による。
溶けやすさについては、立山製紙株式会社にヒアリングを実施し、
経験的な評価を別表・結果表(コメント編)の分析評価[1・2]の「溶けやすさ」として掲載している。


(2)歩留まり

歩留まりとは、投入した原料[INPUT]のうち、どれだけが製品[OUTPUT]となるかという評価である。
トイレットペーパーの場合では、古紙100kgから何kgのトイレットペーパーができるかということであり、現実の製造ラインでいえば、
70%〜85%。つまり、100kgの古紙を投入すれば70kg〜85kgのトイレットペーパーに生まれ変わる。
紙の場合では、 概ね、 古紙に含まれる紙の繊維の割合とでも言い換えることができる。
歩留まりは古紙を原料とみた場合にもっとも重要な評価項目である。
歩留まりの分布をグラフ化したのが右の図である。 また、歩留まりの上位5検体と下位5検体は下記の表である。
繊維の質をみるために、分析評価[4]として、目視と顕微鏡による繊維の観察を行った。こちらは画像編を参照してください。
また、分析評価[7]として、歩留まりに影響を及ぼす炭酸カルシウムについて、検体を絞って強酸抽出により側面より検証した。



歩留まり上位5検体


歩留まり下位5検体



(3)不純固形物

今回の分析では、不純固形物として、炭酸カルシウム(CaCO3)とその他異物にわけて観察した。
炭酸カルシウムは、 紙の白色度を増すために用いられる粘土のようなもので、見栄えはよくなるが、古紙を原料としてみた場合には、
紙繊維分が それだけ少なくなり、一般的にはマイナスとして評価されている。 炭酸カルシウムの含有量の代替としてCa濃度を調べた。
分析評価[8]におけるCa濃度の分布をグラフ化したのが右の図である。 また、Ca濃度の上位5検体は下記の表である。
その他異物については、画像編を参照してください。



Ca濃度上位5検体



(4)水質

水質については、別表・結果表(水質編)のとおりとなった。
陽イオンはCaなど18項目について調べ、その内6項目について掲載してある。
陰イオンは調べた3項目をすべて掲載してある。また、pHとCODを分析した。
分析評価[3]における濃度の評価であるが、 今回の分析は2.5gに対し500mlの水を使っている。
実際の製造ラインにおいては、1トンの紙につき100m3の水を使うとされているから、
概ね今回の実験室分析は、実際の製造ラインの倍の水を使っていることとなる。
水質評価については、実際の製造ラインより2倍に 希釈されている程度であることを念頭に評価されたい。
平成15年1月現在の排水基準は、
ホウ素(原子記号B)・10mg/g(海域以外)230mg/g(海域)、COD・120mg/g(日間平均)
などとなっており、禁忌品などが水質面で大きな環境負荷を与えているわけではない。



pHアルカリ性上位5検体


pH酸性上位5検体






COD濃度上位5検体






NO3-濃度上位5検体



(5)歩留まりと炭酸カルシウム


(A)〜(G)の分類は、別表・結果表のとおり。 上質紙、新聞古紙、ダンボールの歩留まりは高い。
歩留まりの平均値±標準偏差を求めたところ、雑誌(G)では72.8±17.1%であったのに対し禁忌品(A)では56.6±31.0%となり、
禁忌品(A)の歩留まりが低く変動も大きいという傾向が認められた。



上質古紙(C),新聞古紙1(D),段ボール(F)では,歩留まり,Ca量共に一定の範囲内で類似の値を示しているが,
禁忌品(A)及び雑誌(G)では歩留まりが60〜90%の範囲でCa量のばらつきが顕著であった。



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